マンション査定に影響する7つのポイントを押さえ、高値で不動産売却!

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この記事を書いた人
高橋 正典・不動産コンサルタント高橋 正典・不動産コンサルタント
著書『プロだけが知っている!中古住宅の魅せ方・売り方』(朝日新聞出版)他多数。

「うちのマンションって、いくらくらいで売れるんだろう」
「購入時からどのくらい値段が変わっているのかな?」
マンションを売りたいと思ったときに、真っ先に気になるのが売却価格でしょう。
売却価格は、さまざまな要素が組み合わさって決まります。
その不動産の今の価値を調べ、おおよその値段を出してみることを「査定」といいます。

今回は、マンションの売却の入口ともいえる査定について紹介します。


  • 査定額と売却額の違い
  • マンションの査定額を左右するポイント
  • 査定のスムーズな受け方
  • 一括査定サイト、無料査定サイトの注意点
  • 査定でわかる不動産会社の良し悪し

などについてご紹介します!

目次

査定額=売却額ではない! 

マンションを売ろうと思ったら、まず物件の「査定」をおこない、だいたいの値段を調べます。
査定かぁ。
マンションの値段が決まっちゃうんでしょ。
安い金額が出ちゃったらショックだよね。
ちょっと待って。
査定額は、マンション売却額ではありませんよ。
えー、違うの?

査定をする目的は「だいたいの相場を知る」こと

査定をする目的は、ずばり「自分の物件がだいたいいくらくらいかを知る」ことです。
この”だいたい”というのがポイントです!

査定額=売却額とならないこともあります。

例えば、不動産会社(不動産仲介会社)によっては、あえて実際の売却額より高い査定額を提示することがあります

何のためにそんなことするの?
どこの不動産屋さんに売却を依頼しようかと考えているときに、1社だけ高い査定額を提示してくれたら、その不動産屋さんに依頼したくなりますよね?

ところが、実際には提示された査定額で売れるとは限らないのです。 不動産会社が自社に依頼してもらうために、あえて高額の査定額を提示するケースもあります。

CHECK異様に高い査定額は疑ってかかるべき

すぐにできる机上査定、精度の高い訪問査定

まず、査定には2つの種類があります。
机上査定」と「訪問査定」です。
基本的にどちらも無料です。

査定をおこなうのは主に不動産会社です。
不動産会社は宅地建物取引業法により、査定額を提示するときに、どうしてこの金額なのか、根拠を示す必要があります
売主側は、示された根拠をよく確認し、査定額が納得できるものかを検討してください。

それぞれの特徴を知っておきましょう。

机上査定

  • 物件の情報(書類や周辺情報)だけをもとに査定額を算出する方法。
  • 物件の種別(戸建てかマンションか)、物件のエリア、交通、間取り、階数、駐車場の有無、築年数などの情報がもとになる。
  • さらに同じエリアや同じマンション内の物件の売却価格を参考にして査定する。
  •  

    訪問査定

  • 不動産会社の担当者が物件を訪問する方法。
  • 物件までの交通の便や、日当たり、近隣の状況、建て付けなどを確認したうえで査定する。
  • インターネットでおこなう一括査定は、机上査定にあたります。
    机上査定は簡単に算出できるメリットがありますが、個々の物件の特性などは考慮されないので正確性はやや低めです。
    最初にざっくりと物件の相場を知るためのツールといえます。

    訪問査定は、実際にマンションに訪問して査定するぶん、机上査定よりも正確性が高くなります

    机上査定をしたあとに、さらに詳細に確認するために訪問査定をおこなう、という流れが一般的です。

    009-01

    訪問査定はだいたい2時間程度かかります。
    査定の際には、マンション購入時にもらった重要事項説明書管理規約など、マンションの情報がわかる書類を用意しておくとスムーズです。

    不動産の査定に影響する7ポイント

    いざ査定! となったとき、不動産会社はどんなポイントを重視して査定するの?
    不動産会社がチェックするのは、主に次の7つのポイントです。
    重要度の高い順に紹介していきます。

    ポイント① 方角と階数、角部屋→南向き3階以上は高く売れる!

    方角でいうと、南向きは安定的に需要があります。
    南向きであれば、スムーズに売却できます。
    東・西向きは値段次第といったところです。
    値ごろ感があれば売却しやすくなります。

    例えば、このような場合です。

    値ごろ感のある物件の特徴

  • 同じマンション内の売り物件と比べて割安である。
  • 同時期に販売されている、条件の似ているほかのマンションの物件と比べて、割安である。
  • その物件の当初の販売価格から大幅に値下げしたことで、割安感がある。
  • 階数は3階以上が高く評価されます。
    一方、1階、2階は苦戦しやすいです。
    人の目線の高さになってしまい、プライバシーや防犯の面で敬遠する人が多くなるからです。

    ポイント② 立地→駅チカ徒歩7分以内かどうかが分かれ目

    中古マンションを買いたいと考えている人は、立地、とくに交通の利便性を重視している人が多い傾向にあります。

    新築を買う場合には目をつぶりがちな交通の利便性も、中古物件では「古くてもいいから駅チカの物件がいい」と考える人が多いのです。
    また、高齢者が郊外の戸建てを売って、駅に近いマンションに住み替えるというケースも年々増加しています。

    そのため、徒歩7分以内の物件が断然売れやすいといえます。
    ただし、徒歩7分以上でも、条件によっては売れやすいことがあるので、ご安心ください。

    徒歩7分以上でも売れやすい物件の特徴

  • 駅から近いことよりも、子育ての環境を優先する世帯の多い地域で、公園などの施設が近くにある。
  • 学校や保育園などの教育機関が近くにある。
  • ショッピングモールなど、大型の商業施設が近くにあり、利便性が高い。
  • ポイント③ 築年数→新耐震基準なら安心!

    築年数で問題となるのは新耐震基準なのか旧耐震基準なのか、ということです。
    1981年6月1日以降に建築許可がおりた新耐震基準の物件であれば、築年数が古くとも問題ありません。

    問題は旧耐震基準の物件です。
    旧耐震基準の物件は、買う側に敬遠されがちです。
    中規模の地震への対応はなされていますが、大地震への対応は確認されていないためです。
    旧耐震基準の物件の場合、買う側に以下のようなデメリットがあり、避けられてしまいます。

    旧耐震基準の物件のデメリット

  • 融資を受けられる期間が短い。
  • 住宅ローンの控除が受けられなかったり、住宅ローンを組むこと自体が難しくなる可能性がある。
  • もちろん、旧耐震基準の建物だとしても、耐震補強を施していれば問題ありません

    ポイント④ 管理と修繕の状態→管理がイマイチだと売れない

    マンションを売る場合、管理がきちんと行き届いているかどうかは大きなポイントとなります。

    共有スペースに雨漏りなどがあった場合に、管理組合がきちんと修繕をしているか、定期的なメンテナンスをしているかによって、売却額も大きく変わってきます。

    訪問査定のときにはこういう部分までチェックされます。

    とはいえ、もし共有スペースの管理に不備があったとしても、それは売主(マンションの部屋の所有者)にはどうしようもない部分です。

    自分の所有するマンションの管理に不備がある場合は、きちんと管理組合に対応してもらうよう促しましょう。

    ポイント⑤ 周辺環境→学校・病院……「なくならないもの」に注目

    周辺環境とは、物件の周辺にある施設のことです。
    周辺環境は変化しやすいものと変化しづらいものがあります。

    周辺環境

    • ○変化しやすいもの→スーパーマーケット、ショッピングセンターなど
    • 閉店をしてしまったり、少し離れたところに新しい施設ができてしまったりすることもある。
       

    • ○変化しづらいもの→病院、公園など
    • 病院、公園などはなくなることはあまりない。

    変化しやすいスーパーマーケットでも、売却時に近くにあるなら、「スーパーまで徒歩○分!」と、ウリにできます。

    さらに変化しづらい病院などは、特定の買主に対して訴求力があります。病院が近いことは、高齢の買主には魅力的にうつります。

    幼稚園や学校、公園が近いかどうかは、子育て中のファミリー層の買主にとって購入を決める際の重要ポイントです。
    ただし、最近は少子化の影響により、学校の統廃合があります。 売却を考えている時期に、そのような動きがあるかどうか、情報収集を欠かさないようにしましょう。

    ポイント⑥ リフォーム→物件によっては、リフォームすれば価値は高まる!

    築年数が古くても、物件によっては、リフォームを施して新しくなっていれば価値は高まります。
    リフォームが効果的な物件かどうかは、不動産会社に相談してみましょう。

    CHECK査定額を上げるためにリフォームはすべき?

    ただし、マンションの場合には、共用部の修繕工事は管理組合がおこなう場合がほとんどです。
    売主側だけの努力ではどうにもできませんが、比較的最近、室内がリフォームされている場合などは、査定が有利に働くポイントになります。

    ポイント⑦ 施工会社と販売会社→信頼できる会社か?

    マンションの建設を請け負った会社や、マンションを販売している会社も、査定額に関わるポイントといえます。

    大手の建設会社・デベロッパー(住宅の開発などをおこなう会社)が携わったマンションは総じて安心感が高いと評価されます。

    不動産の査定の事前準備と注意点

    なるほどね、うちの場合はどうなんだろう?
    査定に挑戦してみたいな。
    査定を受ける前に、マンションについての情報を準備しておくといいですよ。

    自分のマンションについての情報を集めておく

    査定の際には、自分のマンションについての情報を不動産会社に伝えます。
    インターネットでの査定の場合も、情報を入力する必要があります。

    下記の項目について、自分のマンションの情報を集めておきましょう。

    用意しておくべきマンションの情報

  • 面積
  • 間取り
  • 築年数
  • 住宅ローンの支払いが継続中の場合は、毎月の支払額と残債
  • 査定時のヒアリングで、不動産会社の姿勢が変わる

    一括査定サイトを利用する以外に、不動産会社の担当者と対面して机上査定・訪問査定をしてもらう場合は、担当者からのヒアリングも同時に受けることになります。
     
    不動産会社のヒアリングへの準備もしておきましょう。

    想定される質問
  • 売却理由
  • 新居が決まっているかどうか
  • もともと、いくらで購入したか
  • いつまでに売りたいか
  • いくらぐらいで売りたいか
  • これらの質問の答えによっては、不動産会社の担当者からのアプローチが変わってくることもあります。
     
    例えば、売却理由が相続の場合、担当者は「売主は相続税の申告期限である10ヵ月以内に売りたいだろう」と考えます。
    期限内に売るために価格を妥協してくれるだろう、と高をくくられることもあるかもしれません。
     
    また、新居が決まっていない場合、購入する物件の仲介もしようとして、積極的になってくることもあります。
     
    「まだ査定の段階だから」「査定額とは直接関係ないから」と思わずに、査定時には物件情報以外にもいろいろなところを見られていると心得ましょう。

    査定から売却までの流れ

    査定には、いくつかの方法があります。

    1つめは、不動産会社に直接問い合わせをする方法です。実際に不動産会社が物件に訪問しておこなう「訪問査定」を受けます。

    2つめは、インターネットから査定を申し込み、物件情報をもとに査定してもらう「机上査定」をおこない、そのあとに、「訪問査定」を依頼する方法があります。

    査定が済み、売却が完了するまでのおおまかな流れも押さえておきましょう。

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    CHECK【マンション売却のコツ7ヵ条】プロが教える分譲マンションを高く売る秘策とは?

    不動産価格の多くは「取引事例比較法」で決まる


     
    不動産を売却する際、物件の売却額を決める方法は複数あります。
    それぞれの特徴を知っておきましょう。

    • ○取引事例比較法
    • マンションの価格を決める際に用いられる方法です。
       
      立地、築年数、間取りなど、対象の物件と似たような条件の物件の過去の取引事例を調査し、それに基づいて価格を決定します。
       
      「同じマンションの3階が1700万円で売却されたので、この6階の部屋は1850万円くらいかな」というように決めていきます。
      不動産会社の経験と勘がものをいいます

    • ○原価法
    • 売却する物件を、もう一度作るとしたらいくらかかるかということに基づいて算出する方法です。
      ただ、これはマンションではなく、戸建ての物件で用いられます。
       

    • ○収益還元法
    • 不動産を賃貸に出した時に得られる賃料から価格を算出する方法です。
      この方法は主に投資用の不動産で使われます。

    マンション売却に強い不動産会社に査定を依頼する

    準備もできたし、流れもわかったぞ。
    いよいよ査定ですね。
    どこに査定を頼めばいいのかな。
    まずは、地元で売却に強い不動産会社を探してみましょう。

    査定を依頼する流れ

    マンションを売りたいと思ったとき、次のような順序で査定の依頼を検討します。

    1.売却に強い不動産会社などを探し、直接査定を依頼する。
    2.地元で強い不動産会社大手不動産会社に査定を依頼する。
    3.一括査定サイトで査定をし、相場をつかむ。

    売却に強い不動産会社を見極める

    まずは、売却の取り扱い経験がある、地元の不動産会社に査定を依頼するのがベストです。

    本来、売りたい人と買いたい人では、全く逆の要望が存在します。
    高く売りたいのが売主で、安く買いたいのが買主の心理です。

    アメリカでは、売主・買主にそれぞれ別のエージェントがついて、依頼主に最適な取引となるように動くのが当たり前です。
    裁判における弁護士のようなイメージです。

    一方、日本は不動産「仲介」業であり、1つの不動産会社が、売主・買主双方の利益となるように動く傾向があります。
    お見合いの仲人さんのようなイメージです。

    理想的なのは、エージェントという立場で、売りたい人の立場に寄り添い、アドバイスや売却活動をしてくれる不動産会社です。このような不動産会社が地元にあれば、その地域にも精通していてベストです。

    ホームページなどを見て、物件の価値を少しでも高く評価する姿勢がわかるような会社は、売却のための様々なノウハウを提供してくれるでしょう。

    地元の不動産会社や、大手不動産会社に査定を依頼する

    しかし、不動産会社は主に販売を主に手がけているところが多いため、なかなか売却に強い不動産会社が見つからないこともあります。

    その場合は、売却の実績をキーワードに、インターネットで検索します。
    地元に密着した不動産会社大手の不動産会社を選び、その会社のホームページから査定を申し込みます。
    大手の不動産会社は、売却に限らず、さまざまなノウハウを持っていて、よい点もあります。

    不動産会社の自社ホームページから査定を申し込むと、担当者からメールや電話で連絡が来ます。
    その後、不動産会社と売主が1対1でやりとりをすることになります。

    一括査定サイトの メリット

    不動産会社と1対1でのやりとりに、ハードルが高いと感じることもあるかもしれません。

    その場合は、一括査定サイトを利用するのも一つの手です。
    一括査定サイトなら、複数の不動産会社の査定額が一度にわかり、大まかな相場感をつかめます

    インターネットの一括査定サイトを利用するときは、まずそのサイトに物件の情報を登録します。
    後日、不動産会社各社から、査定結果などがメールなどで送られてきます。

    一括査定サイトは、複数の不動産会社の査定を受けられることから、下記のようなメリットがあります。

  • 売りたい物件のだいたいの相場がわかる。
  • 自分のマンションを扱ってくれる不動産会社がどこなのかがわかる。
  • いろいろな不動産会社の考え方・サービス・商品を知ることができる。
  • しかし、一括査定サイトにはこのようなメリットがある反面、デメリットもあります。

    一括査定サイトの デメリット

    査定を依頼すると、不動産会社は媒介契約を何としてでもとろうとして、熱心に営業を始めます。
    査定結果のメールだけでなく、たくさんの不動産会社の営業マンから電話がかかってくることもしばしば。
    煩わしいと感じる人もいるかもしれません。

    査定をしてもらったからといって、その会社と必ずしも媒介契約を結ぶ必要はありません
    営業電話に流されて、電話だけで即決しないように気をつけましょう。

    さらに、査定額を高くして媒介契約をとろうと、不動産会社同士が競い合い、査定額が無意味にどんどんつり上がっていくこともあるので、注意しましょう。

    メリット・デメリットを整理しておきましょうね。

    一括査定のメリットとデメリット

    メリット デメリット
  • 自分のマンションの相場がわかる。
  • 自分のマンションのエリアで売却物件を取り扱う不動産会社を把握できる。
  • いろいろな不動産会社の考え方・サービスを知ることができる。
  • 多くの不動産会社から営業の電話がかかってくる可能性がある。
  • 媒介契約をとろうとして不動産会社が競い合うため、過剰な査定額が提示される可能性がある。
  • 早めに不動産会社を2~3社に絞り込む

    「一括査定は受けてみたいけど、営業電話がどんどんかかってくるのはちょっと嫌だな」と思う人も多いでしょう。

    一括査定を受けたら、早めに査定結果を見比べて、以下の方法で不動産会社を2~3社に絞り込むとよいでしょう。

    査定額から不動産会社の候補を選ぶ

  • 複数の査定額を見比べたとき、一定の範囲内に収まっている査定額をつけた不動産会社から選ぶ。
  • 一定の査定額の範囲内で、比較的高めの査定額をつけてきた不動産会社から2~3社選ぶ。
  • ホームページなどで、社歴や実績を確認する。
  • 候補以外の不動産会社の営業電話は、「もう決めたので」と言ってきっぱり断りましょう。

    不動産会社とのマッチングはお見合いと一緒

    実は、不動産会社側は、一括査定をするお客さんをあまり重要視していません
    これは、婚活に例えるとわかりやすいです。
    婚活パーティーに来る人は、”大勢のなかからいい条件の異性を探したい”という気持ちで来ています。
    そのため、自分に来てくれる可能性は「1/婚活パーティーに参加している同性の人数」なのです。

    そういう状況だと、自分のところに来てくれる可能性は低いので、やる気が出ませんよね。

    一括査定も同じです。一度に複数の不動産会社に査定を依頼しているため、自社が媒介契約を結べるという確信はありません。
    ないがしろにするわけではないですが、「他の会社と契約を結ばれるかもしれない」と、不動産会社側のテンションも低めなのです。

    一方、婚活のなかでもお見合いは本気度が違いますよね。
    それは、1対1だからです。
    1対1で会ってみよう、というのは相手の本気度も感じられます
    それと同じで、不動産会社に「査定をお願いしたい」と自らやってきたお客さんに対しては、不動産会社側も親身になって対応するようになります

    一括査定だとしても、査定の結果が出たら、「詳しく話を聞きたいんですけど……」と、こちらからも「本当に売却したいんだ」という本気度を見せるとよいでしょう。

    不動産売却に関しても、最終的には不動産会社の担当者とのマッチングです。
    高値で売却するという目標に向かって、ともに進んでいける担当者を見つけたいものです。

    異様に高い査定額を示す不動産会社は避けたほうが吉

    複数の会社で査定を受けたら、どこに決めるか迷いそう。どうやって比較したらよいのだろう。
    査定額や営業マンの対応、売却の考え方などを見て比較します。ただし、繰り返しますが、高すぎる査定額を示す会社には注意してくださいね。

    無料査定は2~3社にとどめるのがいい

    不動産会社の査定は、直接不動産会社に依頼する場合も、インターネットの一括査定も、基本的には無料です。

    ただ、無料だからといって、あまり多くの不動産会社に直接査定を依頼すると、一括査定と同様に大量に連絡が来てしまうことがあるため注意が必要です。

    営業マンからの電話の煩わしさを避けるためには、不動産会社を2~3社程度にとどめるほうがよいでしょう。

    他社に勝るサービスは、質の低下につながる恐れがある

    机上査定のあとは、その結果や、不動産会社の対応を見ながら、どの不動産会社と契約するかを決めることになります。

    不動産会社にとっては査定が契約獲得の第一歩です。
    そのため、熱心にセールスをおこなってきます。
    セールストークのなかで、こんなセリフが出てきたら要注意です。

    要注意のセールストーク

    「他の不動産会社では、いくらと言われましたか?」
    「他の不動産会社では、どのようなサービスがつくと言われましたか?」

    つまり、他の不動産会社の動向を伺っているのです。

    これは、不動産会社が媒介契約を獲得しようと、他の会社よりもお得感を与えたり、サービスを追加しようとしたりと、あれこれ考えているためです。

    サービスが増えるのはよいことのように感じてしまいがちですが、増えればそのぶんの人件費が必要になります。
    しかし、利益を優先すれば人件費は削られるのが常です。
    結果的に不動産会社が担当者に無理を強いて、ひとつひとつのサービスの質が低下していきます。

    不動産会社を競わせずに冷静に判断

    無理に高い売却価格を設定すれば、それは“売りにくい物件”になってしまいます。

    売りにくい物件は不動産会社にとって広告活動の優先順位が低くなります。
    結果として売主にとってはデメリットが大きくなってしまうのです。

    こういったことを回避するため、売主側は不動産業者を競わせないことが大切です。

    「A社は○○万円で売ってくれると言っている」
    「A社はこんなサービスを付けてくれるけれど、おたくはどうなのか」
    など、ふっかけるようなことを言うのは禁物!

    各社のサービスと、売却に対する考え方(戦略やスケジュール)を冷静に判断するのが賢明です。

    査定額を無視した高い売り出し価格は、売れ残りのもと

    また、査定額が思ったよりも低い場合、つい「もう少し高値でも売れるんじゃないか……」と思いたくなります。
    なかには、不動産会社が出した査定額を大幅に上回る売り出し価格に決定する売主もいます。

    こんな事例があります。

    CASE

     
    A社で査定したら、7800万円だった物件があります。
    その物件の売主は、「他の不動産会社が扱っている似た条件の物件で、1億円で出ているものがある。だから9000万くらいで売りたい!」と、A社の担当者に言いました。
     
    A社の担当者は、競合の有無、リフォームの状況、売り時などを考慮し、根拠を持って査定額を出しているので、「難しいと思いますよ」と売主に伝えました。
    しかし、その売主は引き下がらず、結局A社から9000万円で売り出すことに。
    案の定、その物件は半年間鳴かず飛ばずで、売れませんでした。
     
    そのうち、近くに新築のマンションの建設計画が持ち上がり、さらに売れにくくなってしまいました
    結果的にA社との媒介契約は解除され、その売主は、新たにB社と媒介契約をしました。
     
    その後も売却活動は難航しました。しばらくして、ようやく最終的に当初のA社の査定どおりの7800万円で売れました……。

    時間と労力が余計にかかったあげく、売主の希望の売却額9000万円には届きませんでした。

    さらに、このケースでは当初のA社の査定額で売れましたが、新築マンションができた影響で、それよりもっと売却額が下がっていたかもしれない、ということも十分に考えられます

    おさらいですが、「査定額」と「売却額」は別物です。
    この事例のように、高い売り出し価格で市場に出ている競合物件を参考にしすぎるのも考えもの。その結果、売れにくい物件になってしまうのです。

    契約をとりたいためだけに高い査定額がつく?

    不動産会社は査定を依頼した売主候補からどうにか媒介契約をとりたいと考えています。
    契約をとりつけたいというだけで、異様に高い査定額を提示してくる会社もあります。

    なぜ不動産会社は媒介契約を結びたがるの?

    実は、一括査定サイトを経由して申し込む無料査定では、査定の依頼があった段階で不動産会社から運営サイト側にお金が払われる仕組みになっています。
     
    査定をしただけで、媒介契約が結ばれなかった場合には、不動産会社にとってマイナスになります。
    そのため、査定時にできるだけ高い価格をつけて、契約をとりたがるのです。

    他社に比べて並外れた高い査定額を提示された場合、単に媒介契約をとりたいがために高い査定額を提示している可能性がある、と一度疑ってかかったほうがよいでしょう。

    査定額は参考にする程度にとどめ、高値で売るための売却ストーリーを不動産会社ときちんと練っていくことがより重要であることを忘れないようにしましょう。

    プロがお答え! 不動産査定のギモン

    査定のことよく知らないまま申し込んでいたら提示額で一喜一憂してしまっていたよ……。
    やっぱり査定を受ける側もある程度知識を持っておかないといけませんね。
    査定額を自分でも調べられないかなぁ。
    あと、うちのマンションの耐震の問題など、まだまだ気になるところが出てきちゃって……。
    はい。
    では、査定にまつわるいろいろなギモンにひとつずつお答えしましょう。

    ギモン1:自分で査定をするのは難しい?
    →インターネットやチラシの不動産広告で、競合物件の価格をチェックできる

    マンションを売ることを考えたとき、まず頭に浮かぶのは不動産会社への査定依頼です。

    が、実は、その前に自分でも査定額を予測できます。

    インターネット折込チラシ“セルフ取引事例比較法”をしてみましょう。

    CHECK不動産価格の多くは「取引事例比較法」で決まる

    インターネットの不動産情報サイトには、自分のマンションに類似したマンション、つまり競合物件の売り出し情報がたくさんあります。
    エリア、築年数、階数、広さなど、似た条件の不動産の売り出し価格をチェックしてみましょう。

    また、不動産のチラシも有用です。
    自分のマンションに似た物件を見つけたら取っておくようにします。

    同エリアの新築物件の存在も、売却の際に競合となり得ますのでチェックしておくとよいでしょう。

    だいたいの相場価格がわかったうえで、不動産会社に査定を依頼して査定額を見れば、より冷静な判断ができるはずです。

    売却までは最長で6ヵ月を想定


    売却を考える場合、かかる時間は最長で6ヵ月といったところです。
     
    販売期間が長いことで、売りやすい時期が見極められるというメリットもありますが、毎週内覧の対応をし続けるのはなかなか疲れるものです。
     
    不動産会社と話し合い、ゴールをきちんと設定して売却活動をするのが理想です。

    ギモン2:査定をした不動産会社に媒介契約を頼むべき?
    →答えはNO。パートナー探しは慎重に

    査定を依頼したからといって、その不動産会社と必ず媒介契約をしなければならないわけではありません。

    売却活動は不動産会社なしではできません。
    不動産会社はマンション売却を任せる重要なパートナーとなるので、慎重に選ぶべきです。

    不動産会社のほとんどは、購入希望者を顧客としています。
    そのため、売却に強い不動産会社は限られてきます。

    売却は実績とノウハウが重要です。
    売却実績で不動産会社を選ぶとよいでしょう。

    現在は、一括査定サイトから査定を依頼し、査定してくれた不動産会社のなかから選ぶ人が多いでしょう。
    しかし、自分の足を使って、地元の不動産会社を回ったり、売却の実績があるところを選んだりすることもひとつの手です。

    ギモン3:震災は査定に影響する?
    →震災以降、下駄履きの物件は敬遠されるように

    東日本大震災、熊本の震災などを経て、買主はこれまで以上に安全を気にするようになりました。

    耐震補強をしていない旧耐震基準の物件は敬遠されがちです。

    また、1階部分が駐車場などになっており、居住空間である2階以上が柱で支えられている、いわゆる「下駄履き」の物件は売れにくくなりました。
    柱のみで支えているため、大きな地震が発生した際に倒壊リスクが高くなるためです。

    査定額は当然低くなりがちです。 009-03

    ギモン4:査定額に納得できないときはどうする?
    →納得できる説明がない場合はセカンドオピニオンを

    病気になったときに病院に行き、診断を受けたものの納得がいかない。

    そういったときに、別の病院に行って再度診察してもらい、第三者として違う医師の見解を聞いてみる。
    これを「セカンドオピニオン」といいます。
    不動産の査定を依頼した際も、納得がいかなければ別の不動産会社をあたってみて、セカンドオピニオンを得るとよいでしょう。

    「納得できる説明」とは、査定額算出の根拠として成約事例や同じマンションの物件の事例をきちんと説明してくれることを指します。

    「だいたいこのくらいです」などと、うやむやにされる場合は、別の不動産会社をあたってみたほうが安心といえるでしょう。

    ギモン5:査定額を上げるためにリフォームはすべき?
    →「査定額」を上げるためのリフォームは不要

    冒頭でも触れましたが、査定額はあくまでも物件の売却額の目安です。
    査定額をいくら高くしたとしても、実際の売却額が高くならなければ意味はありません。

    ひとまず現状のまま査定をし、不動産会社と媒介契約を結んでから、いかにして売却額を上げればよいかをともに考えていけばよいでしょう。

    もちろん、修繕が必要な部分に関しては修繕をおこなう必要があります。
    しかし、売主が何百万円もかけてリフォームするというのは、資金が十分にある場合を除いて、まれなケースといえます。

    例えば、売却する前に売主がマンションの部屋をリフォームをするとします。
    200万円かけてリフォームして、売却額が400万円上がる物件と、200万円かけて250万円しか売却額が上がらない物件があります。

    同じ金額をかけても売却額への影響に差が出る要因は「立地」です。
    立地がよければリフォームをした効果が売却額に表れますが、立地が悪ければあまり効果が期待できない場合もあります。

    そのため、リフォームを考えている場合は、不動産会社に相談し、慎重に検討したほうがよいでしょう。

    まとめ 

  • 古いマンションでも、新耐震基準をクリアしていれば価値があり、売れる時代になった。
  • 中古マンションでも、物件によってはリフォームをすればきちんと評価される。
  • 立地だけでなく、マンション管理の良し悪しが、売却しやすさに影響する。
  • 一括査定を申し込む前に、競合物件を見つけ、相場価格を割り出しておくとよい。
  • 不動産会社を無理に競わせると、売りにくい物件になってしまうので注意。
  • 査定してもらったからといって、その不動産会社と契約しなければならないわけではない。
  • 高橋 正典・不動産コンサルタント
    ◎1970年生まれ。価値住宅株式会社代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。

    ◎金融機関勤務を経て、都内不動産デベロッパー立ち上げ期に参画。執行責任者として10年で年商を100倍に導く。顧客と業者の間に情報格差があり、「売りっぱなし」といわれる不動産業界の慣習を変えるべく、2008年に株式会社バイヤーズスタイル(現・価値住宅株式会社)を設立。アメリカではスタンダードである、エージェント(代理人)型の不動産会社として、「日本にあるべき不動産市場の実現」を目指している。

    ◎業界ではじめて、全取扱物件に「住宅履歴書」を導入。顧客の不動産の本当の価値を見極め、資産価値の向上をおこなう。さらに、一つひとつの中古住宅(建物)を正しく評価し流通させるためのネットワーク「売却の窓口Ⓡ」を運営し、その加盟店は全国に広がっている。

    ◎不動産流通の現場を最も知る不動産コンサルタントとして、テレビ出演、雑誌・Webサイトへの寄稿、著書多数。住宅再生推進機構 専務理事として、ストック住宅の流通促進や、住宅の長期優良化に関する活動もおこなうなど、幅広く活動している。

    ◎著書に、『プロだけが知っている!中古住宅の魅せ方・売り方』『プロだけが知っている!中古住宅の選び方・買い方』(ともに朝日新聞出版)、『不動産広告を読め』(東洋経済新報社)、『中古住宅の本当にかしこい買い方』(日本実業出版社)、『マイホームは、中古の戸建てを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『実家の処分で困らないために今すぐ知っておきたいこと』(かんき出版)などがある。

    不動産コンサルタント高橋正典オフィシャルサイト
    http://takahashimasanori.com/

    価値住宅株式会社サイト
    http://kachi-jyutaku.co.jp/

    売却の窓口Ⓡ
    http://baikyaku-mado.com/

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    高橋 正典・不動産コンサルタント

    高橋 正典・不動産コンサルタント

    ◎1970年生まれ。価値住宅株式会社代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。

    ◎金融機関勤務を経て、都内不動産デベロッパー立ち上げ期に参画。執行責任者として10年で年商を100倍に導く。顧客と業者の間に情報格差があり、「売りっぱなし」といわれる不動産業界の慣習を変えるべく、2008年に株式会社バイヤーズスタイル(現・価値住宅株式会社)を設立。アメリカではスタンダードである、エージェント(代理人)型の不動産会社として、「日本にあるべき不動産市場の実現」を目指している。

    ◎業界ではじめて、全取扱物件に「住宅履歴書」を導入。顧客の不動産の本当の価値を見極め、資産価値の向上をおこなう。さらに、一つひとつの中古住宅(建物)を正しく評価し流通させるためのネットワーク「売却の窓口Ⓡ」を運営し、その加盟店は全国に広がっている。

    ◎不動産流通の現場を最も知る不動産コンサルタントとして、テレビ出演、雑誌・Webサイトへの寄稿、著書多数。住宅再生推進機構 専務理事として、ストック住宅の流通促進や、住宅の長期優良化に関する活動もおこなうなど、幅広く活動している。

    ◎著書に、『プロだけが知っている!中古住宅の魅せ方・売り方』『プロだけが知っている!中古住宅の選び方・買い方』(ともに朝日新聞出版)、『不動産広告を読め』(東洋経済新報社)、『中古住宅の本当にかしこい買い方』(日本実業出版社)、『マイホームは、中古の戸建てを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『実家の処分で困らないために今すぐ知っておきたいこと』(かんき出版)などがある。

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    http://takahashimasanori.com/

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